エーゲ海から内陸部に入ると、いくつもの重要な初期文明を支えてきた肥沃な土壌が広がります。町の中ではもちろんのこと、郊外でも各時代の遺跡を見ることができます。
比較的新しいものでは、保存状態もよい伝統的なトルコ国内の建築物やオスマン朝のモスクなど、オスマン帝国の遺産があります。また、この辺りには、温泉の効能が期待できる温泉リゾート地が何ケ所もあります。
●マニサ
興味深いエーゲ海の町、マニサには、代表的なセルジュク朝とオスマン帝国の建築物が保存されています。スレイマン大帝の母アイシェ・スルターナの援助を受けて、スルタン・モスクが16世紀初頭に建てられました。皇帝の母が病気で苦しんでいた時に、その病を治したとされるメシール・マジュヌを祝う祭が、毎年4月にこのモスクの敷地内で開かれます。16世紀には、偉大な建築家シナンが設計したムラディイェモスクや、現在では考古学博物館として使われているアドゥジャジェント・メドレセ(神学校)が建てられています。またお祭り騒ぎのようなブドウ畑の収穫が始まる9月には毎年、収穫祭が行われます。この地域のブドウ畑で収穫されたブドウの一部は、干しブドウとして輸出されます。町の南には、シピル・ダー国立公園が広がり、有名な涙を流すニオベーの石像があります。また北へ行くと絨毯の町として知られるギョルデスがあります。
クロイソス王時代のリュディアの首都であった古代サルト(サルディス)の遺跡は、サルト・チャユ(パジュトレ川)にあります。世界初のコインはここで製造されました。アルテミス神殿や修復されたギムナジウム、3世紀に建てられたユダヤ教会堂がこの町の過去の栄光の証として残っています。
サルディスの南にあるボズ山では、ハイキングや登山などが楽しめます。山の南側の斜面にはビルギの村があり、そこには素晴しいトルコの建築様式を代表するチャクル・アーア邸があります。
●ウシャック
ウシャックは、昔から現在においても絨毯の中心地として重要な位置を占めています。考古学博物館は、ていねいな解説による展示がされています。カフタンジュハウス博物館やアタチュルクの家を使っているアタチュルク民族博物館には、ウシャックで作られた素晴しい敷物やキリムが展示されています。
●アフヨン
ビザンティン時代に建てられた堂々とした姿の要塞が、のんびりとしたアフヨンの町を見下ろしています。アフヨンの歴史は、考古学博物館と独立戦争記念館に収められています。また、町の北にある丘の岩壁には、フリギア王国の伝説を彫った浅浮彫りの記念碑が見られます。なかでも一番大きいのがアスランタシュです。
キュタフヤは、トルコのなかでも有数の古い歴史をもつ町です。今でもトルコの昔ながらの習慣が日々の生活のなかに残されており、また、城やモスク、神学校、浴場、集落、お墓、住居など、オスマン時代の貴重な建築物も見ることができます。モスクは、特に14世紀に建てられたウルモスクが一見の価値ありです。
キュタフヤ城からは、町の西側の素晴しい眺めが一望できます。14世紀には神学校として使われていたキュタフヤ考古学博物館には、民芸品、ローマとビザンティン時代の遺産、イズニックとキュタフヤで作られたオスマン時代のタイルが展示されています。19世紀のハンガリーの英雄、ラウス・コシュートが家族と共に住んでいた家屋は、コシュートに関する遺物や書物が展示されているコシュート博物館として使われています。
16~17世紀にかけて、キュタフヤのキルン(窯)からエキゾチックな陶磁器が生まれました。今日でもその技術は受け継がれており、作業場を覗くと熟練した職人が乳白色の下地にコバルト・ブルーのパターンで知られるタイルやお皿、ボールを制作している姿を見ることができます。
キュタフヤの南東には、劇場やスタジアム、ゼウス神殿が残るローマの都市チャヴダールヒサール(アエザニ)があります。同じくキュタフヤの南東のムラット山では、爽快な風景のなかにキャンプ場や温泉があります。また、ドゥムルプナールの近くにはバシュコムタン国立公園と独立戦争の記念碑があります。