アナトリア東部最大の都市でエルズィンジャンから193km東にあるエルズルムは、海抜1950mに広がる広大な台地の上にある街です。
市内に入っていくと、まず目に飛び込んでくるのが露土戦争の記念碑、アズィズイェ・モニュメントです。
考古学博物館にはこのエルズルムから出土した歴史的な遺物や、古跡からの出土品が数々収蔵されていますが、実際は市内にある建物自体が、歴史を如実に物語ってくれています。城壁や城塞はビザンチン統治時代を思わせるつくりで、テオドシウス皇帝が建造した5世紀の城跡は、海抜2000mの丘の上に建っています。なかでも特にセルジュク時代の建築は、すばらしい美しさで圧巻です。ウル・ジャーミイ (大モスク) は、1179年に、赤いライオンと呼ばれていたメリク・ナスレッディン・メフメットによって建てられました。非常に珍しい7つの広い身廊を持っています。チフテ・ミナーレリ・メドレセは、セルジュク王朝のスルタン アラエッディン・ケイクバットが1253年に建造した神学大学で、精緻な石彫りが施された荘厳な二つのミナレットと正門は、見る者に感動を与えます。このチフテ・ミナーレリ・メドレセの背後にはウチュ・キュンベットレルという3つの墓廟があり、いちばん目立つのが、エミル・サルトゥクのものです。
13世紀のハートゥニイェ霊廟は、スルタン・アラエッディン・ケイクバットが娘のために建てた霊廟です。13世紀に建てられたヤクティエ・メドレセの正門と、タイルを張り巡らせたミナレットは、セルジュク様式のまた違った美しさの一面を見せてくれます。エルズルムでは他に、オスマン様式の建築物も見られます。偉大なる建築家シナンは、このエルズルムにもララ・ムスタファ・パシャ・モスクという作品を残しています。このモスクのすぐ近くに、アタテュルクが宿泊し、議会を行っていた家と博物館があります。
エルズルムの街を探索していると、良く地元原産の黒い石 (エルズルム・オルトゥ・タシュ) を加工したアクセサリーが目につきます。タシュハン(リュステム・パシャ・キャラバンサライ跡) の2階にある貴金属店では、これらのアクセサリーを豊富に取り揃えています。
エルズルムから見事な山並みを眺めながら6kmほど進めば、ウィンタースポーツのリゾート、パランドケンに辿り着きます。このスキー場には、多くのホテルがあり、トルコでも最良の雪質と長いコースがあることで、上級のスキーヤー達に特に人気があります。草が生い茂るトルトゥム湖は、エルズルムからアルトヴィンと黒海方向を約120km行った所にあり、トルコ国内では最も静寂な風景が広がるところです。湖の北端で47mの高さから落ちるトルトゥム滝は一見の価値があります。(4月〜6月の雪解の期間を過ぎると、滝がくっきりと見え、流れもかなり緩やかになります。)